交番には、公衆接遇弁償費というお金を借りられる制度があります。
公衆接遇弁償費とは財布がなくなり困っている方等に向けた貸付制度で、急なトラブルで所持金不足の状況であれば誰でも利用可能です。
さらに病気や事故によって救護が必要な時でも、利用できます。
今回は公衆接遇弁償費制度を使って、交番でお金を借りる方法を中心に解説します。
緊急でお金を借りたいときの参考にしてください。
Contents
交番でお金が借りられる公衆接遇弁償費は条件・場所・料金の三面において縛りがある
急いでいる方でも制度の要点が分かるように、公衆接遇弁償費のポイントを以下にまとめました。
- 利用できる状況が限定されている
- 上限は1人1,000円までしか借り入れを受けられない
- 「公衆接遇弁償費」に対応している行政機関は交番だけではない
条件・場所・料金の三面において、縛りがあります。
公衆接遇弁償費制度の制度趣旨は、以下の通りです。
警察署、交番、駐在所及び警備派出所に勤務する職員は、常に公衆の中にあって勤務している関係上、旅行者、通行人等から金銭借用の申出などを受け、自己の所持金をもって処理することがあるが、これらに要した金銭は、必ずしも全部が返還されず職員の負担となっている。
このようなことから、職員の経済的負担を軽減し、併せて適切な市民応接の向上を図るため、この要綱を制定したものである。
引用元:公衆接遇金の弁済事務取扱要綱の制定について
つまり、人々から「お金を貸してくれ」と言われた時に、警察官が自ら費用を捻出せずに済むために、資金が用意されています。
1,000円以上借りたい人やこれから紹介する公衆接遇弁償費の利用条件に該当しない人は、アプリ利用を検討しましょう。
1000円単位の借り入れや即日融資に対応しており、交番や警察署を探す手間を省けるため急いでいる人にも向いています。
それでは公衆接遇弁償費の利用が認められる具体的な条件と上限額について確認していきましょう。
交番はどんな状況でも借りられる?貸してくれる条件を解説
どんな状況でも、交番でお金を借りられるわけではありません。
公衆接遇弁償費の利用条件は、以下の通りです。
財布の紛失や盗難に遭遇したとき
財布を紛失したり盗難したりした時は、公衆接遇弁償費の利用を受けられます。
例えば、飲み会で酔って財布を紛失して、家に帰る交通費がなくなってしまったケースが想定されます。
交番に行って、財布を落としたことを申告し定められた手続きを踏めば、お金を借りることが可能です。
令和元年中の遺失物取扱状況のデータによると、「財布類」が物品上位5品目で4番目の位置を占めています。
このデータから、財布を落とす人が多いことが読み取れます。
自分は大丈夫だろうと思っていても、万一の場合があるため、財布の紛失時には交番でお金を借りられることを覚えておくと良いでしょう。
行方不明者保護の経費として利用されるとき
行方不明者を保護した時の経費も、公衆接遇弁償費制度の対象となります。
行方不明者は心身ともに衰弱しているので、病院に連れていかなければいけません。
この際の入院費や治療費は、公衆接遇弁償費制度の対象に含まれる可能性が高いです。
一般的な人が遭遇する場面としては可能性が少ないとはいえ、万一の場合に備えて、行方不明者を保護したら交番でお金を借りられると覚えておきましょう。
病人や怪我人の救済に利用されるとき
公衆接遇弁償費は、病人や怪我人の救済の際にも利用できます。
「交通費等」とは、被接遇者が自宅その他目的地に到着するまでの間に必要と
する鉄道賃、バス賃、自動車の燃料代及び通信費をいう。
例えば、街中で前を歩いている老人が倒れて、救護したとします。
病院まで老人をタクシーで連れていく際の運賃を負担した場合、公衆接遇弁償費から保障を受けられます。
またケガ人に対して救護用品を購入し、救護した場合も、購入費用に充当可能です。
その他の必要と判断されたとき
近年はキャッシュレスでの支払いが浸透してきており、財布を持ち歩かずに外出する人も増えています。
しかし、キャッシュレスは通信障害で使用できなくなるケースも多々あります。
キャッシュレスで支払いができないときも、警察官に相談すればお金を借りることが可能です。
スマホが壊れたり、電子系ICカードが割れて利用できなくなったりした場合も、公衆接遇弁償費制度を利用できる可能性があるでしょう。
公衆接遇弁償費の上限は1人1,000円まで
公衆接遇弁償費制度を利用してお金を借りられるのは、1人当たり1,000円までです。
1,000円を交通費に充当すれば、帰宅できると考える人も多いでしょう。
ただし、1,000円以上は絶対に貸付を受けられないわけではありません。
万一の場合であれば、1,000円を超える貸付を受けることができます。
万一の理由として考えられるのは、以下のような内容です。
万一の理由として考えられるもの
- 遠出して飛行機や新幹線を利用して帰宅する場合
- 怪我人・急病人保護のため、衣料品やタオル、ガーゼ等を購入する場合
1,000円を超える貸付が必要な場合、交番の警察官で対応可能な範囲を越えるので、事務担当者または当番責任者の承認を得る必要があります。
公衆接遇弁償費制度の制度趣旨は、先ほど「交番でお金を借りられる公衆接遇弁償費を利用できるポイント」で紹介した通りです。
つまり、人々から「お金を貸してくれ」と言われた時に、警察官が自ら費用を捻出せずに済むために、資金が用意されています。
1,000円を超えて貸付を受けられるのはあくまで例外的なケースなので、原則公衆接遇弁償費は1,000円までしか認められないと覚えておきましょう。
交番の他にも公衆接遇弁償費を利用できる場所はある?
公衆接遇弁償費制度は、交番以外でも利用できます。
財布を落とした時などにお金を借りられる行政機関は、下記の通りです。
公衆接遇弁償費制度が利用できる行政機関
- 交番
- 警察署
- 駐在所
- 鉄道警察隊分駐所及び連絡所
- 運転免許試験場
- 地域安全センター
- 警ら用無線自動車
警ら用無線自動車とは、いわゆるパトカーのことを指します。
近くに停車しているパトカーに乗っている警察官に相談すれば、交番まで足を運ばなくてもお金を借りられる可能性があります。
運転免許試験場や地域安全センターは営業時間が決まっており、受付時間内でなければ利用できません。
交番でお金を借りる実際の流れを手順に沿って解説
条件に当てはまるのであれば、実際にお金を借りられます。
お金を借りるまでに踏むべき手順は2つで、どちらも簡単に完了します。
交番へ行ってお金を借りたい理由を説明する
まずは交番等に出向き、警察官等にお金を借りたい理由を説明します。
上記で列挙した4つの理由のいずれかに当てはまることを証明する必要があります。
借入の理由として認められれば、次のステップに進めます。
もし財布を落としてお金を借りるなら、別途遺失物届も作成しなければなりません。
交番でお金を借りるには理由を伝える必要がある点は覚えておきましょう。
借受願書に必要事項の記入をする
次のステップとして、借受願書に必要事項を記入します。
借受願書とは、申込人がどのような理由でお金を借りるか記録するための書類であり、簡単に言えば借用書です。
借受願書に記入が必要な事項は、以下の通りです。
借受願書に記載する必要事項
- 日付
- 氏名
- 住所
- 職業
- 電話番号
- 生年月日
- 年齢
- 借受金額
- 借入理由
- 押印or指印
同時に免許証など身分証明書の提出を求められる場合もあります。
借受願書を記入後、必要に応じた金額が、返済書とともに交付されます。
返済書はお金を返す時必要になるので、確実に保管しておいてください。
交番でお金を借りるときに注意しておくべきこと
交番でお金を借りる際は、2つ注意しておくべきことがあります。
- 公衆接遇弁償費制度を利用できる地域が少ない
- 未成年は借りる際に、保護者に連絡する必要がある
それぞれの具体的な内容をチェックしましょう。
公衆接遇弁償費はすべての地域で利用できるわけではない
公衆接遇弁償費制度は全ての地域で利用できるわけではありません。
ホームページで公衆接遇弁償費の導入を公式に発表しているのは、以下の9都道府県だけです。
公衆接遇弁償費の導入を公式に発表している都道府県
- 北海道
- 岩手県
- 石川県
- 群馬県
- 東京都
- 山梨県
- 大阪府
- 京都府
- 熊本県
警察本部が発出する通達で通知されているので、都道府県内の交番であればどこでも制度が利用できます。
では上記の9都道府県以外では全く制度が利用できないかというと、そうとは言い切れません。
ホームページに記載していないだけで、実際には公衆接遇弁償費制度を利用できる都道府県もあります。
諦めずに制度を利用可能か、交番に問い合わせてみると良いでしょう。
未成年が借りる際は保護者に連絡する必要がある
未成年者でも、公衆接遇弁償費を利用する理由が適切であれば、お金を借りられます。
ただし、未成年者が交番で公衆接遇弁償費の利用を申請した場合、親に連絡がいきます。
なぜなら、未成年は親の同意がなければ、お金を借りられないためです。
未成年者は成人と比べ、取引の経験が不足し、契約などの法律行為を行う判断能力も未熟です。
ですから、法定代理人の同意を得ずになされた法律行為は取り消せると民法に規定されています。
民法第二章第五条
- 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
- 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
引用元:e-Gov法令検索
上記の民法の規定を根拠として、未成年がお金を借りる場合、保護者の許可をもらわなければなりません。
警察官が自宅に連絡を取り、親が交番へ出向くパターンが多いです。
実際はその場で親がお金を払ってくれるので、公衆接遇弁償費制度を利用しないケースもあり得ます。
親にお金を借りるのが言いにくい場合でも最終的には親に連絡がいくため、親からお金を借りることも選択肢に入れるとよいでしょう。
保護者の同意を得られれば、未成年でもお金を借りられるので安心してください。
交番でお金を借りられないのはどんなケース?
交番でお金を借りられないケースも起こり得ます。
どんな場面だと利用不可になるのか、確認していきましょう。
お金を借りる必要性がない場合
当たり前に思えるかもしれませんが、お金を借りなくても済む状況であれば現金の貸与を受けられません。
例えば、財布を紛失したり落としたりした状況であれば、通常は公衆接遇弁償費制度を利用可能です。
しかし親や友人が迎えに来る場合、お金を借りる必要性がないため、お金を受け取れないと考えられます。
また、財布を紛失したけれど現金が手元にある場合や、クレジットカード払いができるケースも、お金を借りなくても済む状況だと言えます。
お金を借りないとどうしようもないケースでしか、公衆接遇弁償費制度は利用できないので、注意してください。
公衆接遇弁償費が不足している場合
公衆接遇弁償費自体が不足状態に陥っている場合、お金を借りられません。
公衆接遇弁償費は、総括主管者がそれぞれの警察署の取扱状況や管内の特殊事情等を勘案して、各警察署への支給額が決定されます。
予算に限りがあるため、交番における限度額を超えてしまっていると、条件に該当してもお金を借りられません。
自分が原因ではないのでやるせないと思うかもしれませんが、警察署職員にとっても不可抗力なので、お金を借りたければ他の方法を取るべきです。
他に頼るところがなければ、警察官が自らのポケットマネーでお金を貸してくれるかもしれません。
公衆接遇弁償費の返済能力がない場合
公衆接遇弁償費はあくまでも応急処置なので、借りたお金は返却する必要があります。
公費から捻出されているため、返却を受けられないケースが続けば、制度の廃止にもつながります。
ですから、その人自身に返済能力がないと見受けられれば、お金を借りられません。
例えば、身寄りのないホームレスが「お金を借りたい」と交番を訪れても、跳ね返される可能性が高いです。
1度に借りられる金額は原則1,000円までなので、一般人であれば返せなくなるケースはほぼないはずです。
交番以外でお金を借りる代替案
見てきた通り、交番でお金を借りようと思っても、認められない場合があります。
また交番が近くに存在しなければ、別の方法を使ってお金を借りる必要があります。
交番でお金を借りる以外で、現実的に考えられる代替案を紹介します。
スマホを持っているならキャッシングアプリを利用する
財布をなくしたけれどスマホがあるなら、キャッシングアプリの利用がおすすめ。条件がそろっていればすぐにお金を借りることが可能です。
大手消費者金融では、ほぼ全てでキャッシングアプリを提供しています。
App StoreやGooglePlayで、消費者金融の名称を入力すれば、簡単にキャッシングアプリをインストール可能です。
申し込み手続きから借り入れ、返済まですべてアプリで完結します。
キャッシングの際必要になる本人確認書類は、スマホで写真を撮ってそのまま提出可能です。
交番でお金を借りようとしている人の多くが、できるだけ早く現金を手元に入れたいと考えています。
飲み会の後など、今しがた帰宅しようという時に利用する場合が多いためです。
すぐお金を借りたい時に気になるのはキャッシングの審査時間ですが、キャッシングアプリは最短即日で融資してくれるところが多く、最短5分や最短30分で審査が完了する消費者金融もあります。
審査通過後に、提携のATMに行けば融資を受けられます。
キャッシングアプリ利用のメリットは、特に理由を教えなくてもお金を借りられる点です。
一方で、個人情報漏洩リスクが高まる点に注意してください。
身分証明書を持っているならカードローンを利用する
身分証明書を持っているなら、カードローンの利用も一つの手です。
公衆接遇弁償費を利用して借りる額程の少額なら、収入証明書不要で利用できるカードローンも存在します。
大手消費者金融のカードローンは以下の条件を満たす場合、収入証明書の提出なくして審査を受けられます。
- 融資の金額が50万円以下の時
- 他社からの借入総額が100万円以下の時
消費者金融のカードローンでは、即日融資にも対応しているので、その日のうちにお金を借りたい時でも利用できます。
一方銀行カードローンは即日融資を受けるのが難しいです。
銀行カードローンは審査が厳しく時間がかかるので、当日中には審査が終わりません。
身分証明書があるならば、消費者金融のカードローンがおすすめです。
タクシーで到着払いを利用する
お金がなくて帰れないのであれば、タクシーの到着払いを利用するのがおすすめです。
タクシーの到着払いとは、目的地に着いた後に自宅からお金を持ってきて、運転手さんに支払う方法です。
つまり、お金がない状態でタクシーを乗せてもらう状態です。
「そんなことできるの?」と思うかもしれませんが、普通に快く対応してくれます。
運転手さんにもよるかもしれませんが、「お金が足りないので、家からとってきて支払う形でも大丈夫ですか?」と聞けば、了承してくれるケースが多いでしょう。
特に書類なども必要ありません。
このように、タクシーの到着払いは特に不利益を被らずに利用可能です。
公衆接遇弁償費の返済方法や返済する場所は?
公衆接遇弁償費で借りたお金は、必ず返済しなければなりません。
返済方法は、手続きをした交番に返済書と現金を持っていくだけです。
返済期限があるわけではないですが、公費から捻出しており額的にも少額なので、現金が用意できた時点でなるべく早く返済しましょう。
公衆接遇弁償費の返済は、手続きをしてもらった交番以外でも返済することが可能です。
公衆接遇弁償費事務取扱要綱では、貸出を受けた者の住所が遠隔である等の特別な理由がある場合、最寄りの交番でも返済できると明文化されています。
このため、遠方でお金を借りた場合も返済には苦慮しません。
パトカーの中でも返済できるので、近くに交番や警察署がない場合でも安心です。
交番で借りたお金は必ず返そう!返済しないと詐欺罪に問われる
公衆接遇弁償費で借りたお金は、返済しないと寸借詐欺で逮捕されます。
寸借詐欺とは、少額の現金を借りるふりをして、人からお金をだまし取る行為のこと。
寸借詐欺をしてしまうと、10年以下の懲役刑が言い渡されます。
実刑とは別に、だまし取ったお金を返却する民事上の責任も発生します。
詐欺罪に問われないためにも、必ずお金は返却してください。
実際のところ、公衆接遇弁償費が返済されないケースは多く見受けられます。
返済期限が特に定められておらず、本人確認書類も必要ないため、返済を忘れてしまいがちです。
あまりに返済が滞ると、詐欺罪で刑務所に入れられる可能性もあるので、注意してください。